【連載】第27回:ダイヤモンドの鑑定士とAIフェチ動画 コメントする / By 濡泥裂(ジュテーム)家康 / 2026年5月10日 毎月10日公開の連載記事として私(ジュテーム家康)が執筆していきます。 近年、AI動画の進化は凄まじいものがあります。数年前(あるいは数カ月前)までは「いかにもAI」と感じるような違和感の強い映像が多かったものの、現在では一見しただけでは実写と区別がつかないレベルにまで到達しているように感じます。重力を考慮した人の動き、肌の質感、髪の揺れ、光の反射、さらには人間の表情に至るまで、AIは驚異的な速度で再現能力を高めています。そして、最近では映画やドラマにおいても「俳優さんは不要になるのではないか」「フェチ動画もAIで制作可能なのではないか」といった「感想」を見かけることも増えてきました。しかし、長年古今東西のフェチ作品(あるいは映画やドラマなどでのフェチ的シーン)を見てきて、また、実際に作品制作してきた立場の私は、そんなことはない、という経験に基づいたある種の確信を持っています。それは、どれほどAI動画が進化しても「日頃から本物(人間が作った動画作品)を見続けている人間には、AI特有の違和感は必ず見抜けるということです。これは、日頃から本物を見続けることで培われる、ダイヤモンド鑑定士の「真贋を見抜く力」によく似ています。一般の人から見れば、本物のダイヤモンドも精巧な偽物も、ぱっと見ではほとんど区別がつきません。しかし、毎日何百個もの本物を見ている鑑定士は、一瞬で違和感を察知すると言われています。輝き、光の反射、微細な透明感、そして本物特有の奥行き・・・など、偽物が紛れ込んできても、理屈で説明する以前に、「何かが違う」と感覚的に分かってしまうのです。フェチ動画にも、これと非常によく似た現象が起こります。たとえば、濡れた衣服の重量感、泥の付き方、服が肌に張り付く状態、水を吸った布が引っ張られる感覚、そして、モデルさんが、濡れたり汚れたりしていく状況を受け入れていく微妙な表情の変化・・・こうしたものは、単純な「見た目」だけで成立しているわけではありません。そこには、撮影現場の目に見えないが、実は目に見える空気(映像を通して伝わる臨場感など)があり、モデルさんの感情があり、その瞬間にしか生まれない偶然の出来事があります。AIは、「結果」を模倣して再現することはできます。しかし、「現象そのもの」を体験しているわけではありません。だからこそ、どこかで人間には見抜かれる不自然さが生まれるという宿命があります。たとえば、AI動画では、髪がびしょ濡れなのに服の濡れ方があまかったり、水を大量に浴びているのに布の重量感が存在しなかったりすることがあります。また、表情の変化も「それっぽく」は見えても、本当に冷たさや戸惑いを感じている人間の反応とは程遠いものがあります。一般の視聴者には、その違和感をうまく言語化できないかもしれません。しかし、日頃から本物のフェチ動画(人間が制作したもの)を見ている人間は、無意識のうちに「何か違う」と感じ取ることができるはずなのです。理由は先に述べた通りです。AIでは、動画・静止画ともにレベルでは既に人間以上の美しさを作り出し始めています。出演する女性も、現実離れするほど整ったビジュアルで生成することも可能です。しかし、少なくても、フェチというジャンルは、単純な美人コンテストではありません。重要なのは、「その状況が本当に起きている」という空気感です。人間が作る作品には、予定外の出来事が起こることが多々あります。たとえば、想像以上に水しぶきが上がってカメラのレンズにかかってしまうとか、服が予想外に透けなかったとか、モデルさんが思わず笑ってしまう・・・など、枚挙にいとまがありません。このような「制御しきれない偶然」が、作品に独特の生々しさを与えています。しかし、AI動画は、本質的に「すべてが制御された世界」です。そこには、本当の意味での偶然が存在していません。もちろん、今後AIはさらに進化し、その「偶然らしさ」すら演出できるようになるかもしれません。それでも、私は、人間が本当に体験した現象から生まれる空気感までは、完全には再現できないと考えています。なぜなら、フェチとは単なる映像情報ではないからです。視聴者(たとえば、この記事を読んでいるあなた)は、映像を見た時に、無意識のうちに、「これは本当に起きたことなのか」を感じ取っていますし、自分が観たいシーン(これまでにたくさんの映像で目が肥えているはず)に意識が働くので、AI動画なのか、それとも人間が作った動画なのかを峻別することは、実はそれほど難しくありません。だからこそ、人間が実際に水を浴びてずぶ濡れになったり、泥だらけになったりして撮影された映像には、AIには出せないリアリティーが宿ります。そして、その差を最も敏感に感じ取ることができるのが、日頃から本物のフェチ動画(人間が制作したもの)を見続けている視聴者、つまり、皆様なのです。ダイヤモンドの鑑定士が偽物を見抜くように・・・フェチ動画を見慣れた人間もまた、「本物」と「AI的な偽物」を、本能的に見抜いてしまうものなのです。 「No Fetish! No Life!」文責:ジュテーム家康■フェティシュポノ理念(Mission statement)https://fetish.gdp22.com/philosophy/