Fetish Pono

【連載】第3回(特別編1):ずぶ濡れイベントの根源的理由

今後、毎月10日公開の連載記事として私(ジュテーム家康)が執筆していきます。

先月中旬、タイに渡航し現地のモデルさんたちとソンクランに参加した時の模様はすでに写真や動画で公開しておりますが、今回は「特別編」として、世界には色々なWAMを楽しめるイベントがあるということ、その中の一つが「ソンクラン」であるということに触れながら話を敷衍させ、WAMを楽しむというのは(観るだけでなく実践という視点も含めて)、実は人間にとって根源的なものではないかという話を今回と次回の2回に分けて話していきたいと思います。

 服を着たままずぶ濡れになったり、泥だらけになるという事は日常生活の中ではそう多くあることではありませんが、帰宅途中や屋外でスポーツ観戦中や屋外コンサートなどに参加中に急に雨に降られて「偶発的」にずぶ濡れになるということはあります。

 しかし、前述のソンクラン(水かけ祭)や東京ディズニーリゾートなどで実施される夏のびしょ濡れプログラムなどは、「ずぶ濡れ」になることが目的であり、そのことをわかって人々が集まるので「偶発的」にずぶ濡れになるわけではありません。つまり、ずぶ濡れになることを楽しみたいという心的欲求がある人々が大勢いるのだと考えることができます。服が濡れるのが嫌な人はそうしたイベントに参加しないはずです。物珍しさという動機で参加する人も含め、多くの人たちは、服を着たままずぶ濡れになる事に、少なくても「楽しさ」「喜び」を他の参加者と共有したいという願望に基づいた行動を自らの意志で実践するわけです。

 また、日本国内だけを見てみても、水かけ祭りが伝統的に特定のエリアで開催されていたり、温泉街などでも温泉や水をかけ合うというイベントも局所的に行われています。昔からの伝統であれ、比較的最近になって商業的目的の色合いを纏っているものであれ、「参加者がずぶ濡れ」になる事を敢えて前面に出すイベントを開催するという事は、人の心の奥底にある「ずぶ濡れになりたい」という願望に呼応していると言わざるをえません。

 「ずぶ濡れになる」という非日常的行動によって、日頃のストレスなどを発散させてスカッとさせたり、癒されたり、気持ちよくなって・・・陶酔感に浸るわけです。もちろん、必ずしも、自分がずぶ濡れになるという「実践」ではなく、ずぶ濡れになった異性を観るという「鑑賞」という方法によって陶酔感に浸る人も多いわけです。また、「実践」「鑑賞」のどちらも好きだという人もたくさんいるはずです。

 「ずぶ濡れ」願望だけではなく、「泥だらけになってみたい」「食材や塗料などで汚れてみたい」という願望も人間には存在しうるものだと考えられます。一見「ずぶ濡れ願望」よりも奇異に感じるかもしれませんが、私はどちらも同位だと考えています。「マッドラン」「泥バレー」「ガタリンピック」「泥かけ祭」など、ひょっとしたら「ずぶ濡れイベント」よりも「泥だらけイベント」の方が多い可能性があります。

 考えてみれば、人間の生活の基盤は古来からずっと、現在も、未来も「水」と「土」です。水はいうまでもなく生物の構成要素として必要不可欠で天の恵みです。また、「土」、つまりは大地は人間を含むすべての動植物が生きていくための根源的なものです。周りがコンクリートなどで固められた都市では感じにくいですが、昔の人は、田園風景の中で緑と土に囲まれて暮らしていたわけです。道路は舗装されていないため、雨上がりなどは、ぬかるんだ道を歩いて服を泥だらけにしてしまうという事は日常茶飯事だったのではないかと思います。
 ※余談ですが中世を舞台にした西欧映画では、女性貴族などがドレスの裾を泥だらけにしながら行脚するシーンを見ることは多々あります。

 このように、昔の人たちは生活の中で服がずぶ濡れになったり、泥だらけになるという事は「日常的行動」であったはずで、そうしたことは自然の中の一員である人間にとって当たり前の出来事であったと推察できます。しかし、生活水準が向上していくにつれ、いつしか、人間は「ずぶ濡れ」になったり、「泥だらけ」になったりすることを忌避し、円滑に生活していくためには「非生産的な事」とみなし、雨をしのぎ、舗装した道を歩くようになったわけです。しかし、「ずぶ濡れになったり」「泥だらけになる」ことは太古から人間の生活の一部だったので、現代人は、もしかしたら遺伝子レベルで「ずぶ濡れになったり」「泥だらけになる」ことを欲し、そうすることで(あるいはそういった行為を見ることで)「ストレス発散」になることを潜在的に知っているのかもしれません。このように考えれば、日本をはじめ世界各国に「ずぶ濡れになったり」「泥だらけになる」ようなイベントがたくさんあることはうなずけます。

 次回は、ソンクランに特化した記事を書きたいと思います。

この記事を書いた人

濡泥裂(ジュテーム)家康
濡泥裂(ジュテーム)家康
フェティッシュ作品を作り始めて20年以上。マニアのマニアによるマニアのための真正フェチ映像を皆様にお届けし続けています。私も最初はネットやテレビで「ずぶ濡れ(WET)」や「汚れ(MESSY)」といったフェティッシュな動画や画像を鑑賞する立場でしたが、大学を卒業する頃になると「自分が観たいフェチシーンは自分で作るしかない」と思い立って作品制作を開始し現在に至っています。

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