２０２４年の沖縄ロケで撮影した作品です。撮影当日は激しい雷雨（ゲリラ豪雨）に見舞われ、一時は中止も危ぶまれる状況となりましたが、数時間の中断を経て雨がやや落ち着いたタイミングを見計らい、何とか撮影を再開して完成させた作品です。
某組織への入隊を志願する女子学生が、大雨の中、リクルートスーツ姿で試験会場に現れます。試験の課題は、芝生の上での基礎体力テストです。腕立て伏せや腹筋を繰り返すうちに、激しい雨に打たれ、リクルートスーツはすぐにびしょ濡れになっていきます。
その後、試験官の指示に従い、彼女は水田脇のぬかるみへと移動します。そこで求められたのは、泥だらけの地面での匍匐前進です。彼女は一瞬おどろきますが、素直に泥の中を何度も這い進みます。やがて、試験官から「全身を泥と同化させるように」とのさらなる指示が出されます。これは、入隊後に実戦配備された際、敵の目を欺くために泥と一体化する訓練を想定したものです。普通は絶対に泥だらけにすることなどないであろうリクルートスーツを着たまま全身を泥で覆うことに対して、どれほどの抵抗があるのか。試験官は彼女の反応を冷静に観察しているのです。
彼女はしばらくするとジャケットを脱ぎ、まだ白さの残っていたブラウスまで泥にまみれにするように言われます。試験開始時には新品同様だったリクルートスーツ一式は、すでに原形をとどめないほど泥に染まり、二度と着られない状態になっていました。それでも彼女は、最後まで試験に立ち向かう姿勢を崩すことなく、降りしきる雨と泥にまみれながら合格を勝ち取るために、ただ黙々と課題をこなしていくのでした。
「リクルートスーツ＆泥んこ」 作品紹介
