スーツで挑む臨海水難訓練

濃紺スーツに身を包んだ「れい」さんが今回挑むのは、「れい水」ではなく、荒れた海です。磯辺で波にのまれながら、もしもの水難事故を想定した過酷な訓練に臨みます。

海沿いの防災センターを舞台に、女性教師が水難訓練に参加します。彼女は職場の学校ではタイトスカートスーツを着用することが多いので、通勤時や勤務時に着ている可能性が高いスーツ姿で訓練することになります。

訓練の目的は「もし課外授業などの引率中などに、生徒が海に落ちたら？」という想定のもと、スーツ姿のまま海水に浸かって、衣服を着たまま全身が水に沈んだときの動きにくさ、そして危険性を身をもって体験していきます。

荒波の中に入ると、スーツも髪もあっという間にずぶ濡れになり、生地が水を吸って体に重くまとわりつきます。呼吸を整えるたび、波しぶきが容赦なく顔を打ちつけますが、彼女は一歩も退かず、先輩教諭の指示に従い、冷静に行動を続けます。

顔を海水につけたときの感覚を体験したり、先輩教諭に水をぶっかけられたり、自らもバケツの水を頭からも何回もかけ、さらには荒波で自由を奪われスーツ姿で全身ずぶ濡れになった状態で身体がどれだけ動くのかを身をもって体験し、水難事故の怖さを知るのでした。